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オープンサイエンス
カリキュラム

慶應義塾大学
大学院理工学研究科
人間・社会システム情報科学専攻

※構想中の内容は未定であり、変更の可能性があります。
※こちらは2025年04年21日時点での内容です。

研究活動を通して専門性を高めていくだけではなく、周辺分野および自然・人間・文化・社会と課題の関連を意識し、広い視野から研究課題を位置付けることは、世の中を先導し、新しい技術・価値・知識を生み出していく上で必要不可欠な能力です。

オープンサイエンスカリキュラムでは、追求する専門分野の学術的専門性を高めるにとどまらず、その背景と位置付けを的確に把握できる力を育成します。特に、学際的な研究姿勢、社会問題に根ざした視点、国際的に活躍できる能力、社会・技術課題への実践的な取り組みや問題解決のための技能を育み、専門分野の殻を超え、学術界・産業界・国際社会において真に活躍・貢献できる人材を養成します。

ここではオープンサイエンスカリキュラムの特徴として、研究グループ、KEIO科目群、学位審査の3つについて紹介します。

研究活動の新たな基盤として「研究グループ」を導入します。研究グループとは、各学生の専門性・研究スタイル・研究フェーズに応じて、指導教員と1人以上のカリキュラム教員によって構成される指導体制です。また、カリキュラムを超え、専門分野の教員や外部の有識者を交えて研究を進めることも可能です。研究グループは学生に合わせて作られるため、ある教員が複数の研究グループに属する場合もあります。これにより、旧来の研究室制度よりも多面的・開放的な視野に基づく研究活動が期待されます。

ハイパフォーマンスコンピューティングに興味がある学生の研究グループ例

  • グループ概要:
    より高速・高効率な計算を実現すべく、アーキテクチャ・計算アルゴリズム・分子シミュレーション・量子コンピューティングなどについてハードウェア・ソフトウェアの両面から研究する。
  • 関連するカリキュラム教員:
    近藤正章・松谷宏紀・佐藤貴彦・泰岡顕治

デジタル・ヒューマニティーズに興味がある学生の研究グループ例

  • グループ概要:
    絵画・活版印刷など歴史的に発展してきた技術・芸術を、画像認識やデジタルファブリケーションなどのデジタル技術により再検討し、サイエンスやエンジニアリングに限らずアートやデザインの立場で研究する。
  • 関連するカリキュラム教員:
    荒木文果・池田真弓・鳴海紘也

通信ネットワークとコンピューティングの融合に興味がある学生の研究グループ例

  • グループ概要:
    コンピューティングはもはや通信やネットワークのアプリケーションにとどまらない。そこでこのグループでは、コンピューティングを積極的に使った通信技術や、ソフトウェアがネットワーク利用の主体となる時代のネットワーク技術などを研究する。
  • 関連するカリキュラム教員:
    重野寛・金子晋丈・西宏章・大槻知明

ヒューマンオーグメンテーションに興味がある学生の研究グループ例

  • グループ概要:
    人間の身体的・精神的能力をコンピュテーショナルに拡張し、人々が創造性を自在に発揮できる未来を目指す。
  • 関連するカリキュラム教員:
    杉本麻樹・杉浦裕太・杉山由希子・高道慎之介

人とシステムの安全に興味がある学生の研究グループ例

  • グループ概要:
    人を中心に社会技術システムの安全を研究し、事故防止や被害軽減を目指す。航空・プラントから自動車・デジタル機器・医薬化粧品まで幅広い技術システムの安全向上を議論する。
  • 関連するカリキュラム教員:
    中西美和・見上公一・岡田有策・伴野太祐

学生一人ひとりの主体的な学びを支えるために、4つの柱からなる「KEIO科目群」 (Knowledge / Experience / International / Onboarding) を設けています。4つの科目群は研究力の向上・実践的な挑戦・国際的な視野・価値観の共有に対応しており、慶應義塾の教育理念を体現することを目的としています。学生は4つの科目群からそれぞれ指定された単位を取得する必要があります。

  • K科目群 (Knowledge):
    研究を推進するための専門知識・技術を深める科目群。
  • E科目群 (Experience):
    得意なことや関心を活かし、新たな挑戦を経験する実践的な科目群。プロジェクトの企画・運営・発信活動を学生が主体的に行うことで学ぶ。
  • I科目群 (International):
    海外留学や国際協働を通じて、国際的視野を養う科目群。学生による留学先や日本国内での主体的かつ多様な国際活動を含む。
  • O科目 (Onboarding):
    研究・実践・国際活動の基盤となる価値観・知識・技能を学ぶ導入的な科目群。

学位審査は、スペシャリストジェネラリストの2つの観点で実施します。

  • 前期博士課程(修士課程)
    • スペシャリスト審査(S審査):専門的な観点から研究内容を評価する審査です。各研究グループの教員を中心に構成されたメンバーで審査をします。
    • ジェネラリスト審査(G審査):研究の社会的意義や総合的な視点からの評価を重視する審査です。研究グループの枠を超えた教員で審査をします。
  • 後期博士課程
    • 今後、順次情報を追加していきます。